死後にノーベル賞

投稿者: | 2011-10-04

今年のノーベル医学・生理学賞を受賞した人の一人、ラルフ・スタインマン氏が、発表数日前の先月30日に死亡していたことが明らかになりました。

ノーベル賞:米教授、既に死去 医学生理学賞・3氏の1人、発表の3日前に – 毎日jp(毎日新聞)

スウェーデンのカロリンスカ研究所は3日、11年のノーベル医学生理学賞を、免疫の分野で業績を上げた米スクリプス研究所のブルース・ボイトラー博士(53)、仏ストラスブール大のジュール・ホフマン博士(70)、米ロックフェラー大のラルフ・スタインマン教授(68)の3人に授与すると発表した。しかし発表後まもなく、米ロックフェラー大が、スタインマン教授は9月30日に膵臓(すいぞう)がんで亡くなっていたと発表。ノーベル賞には「死者には授与しない」という規定があり、賞を運営するノーベル財団の今後の対応が注目される。

その後ノーベル財団は、授与の変更はしない、と発表したようです。

【ノーベル賞】故スタインマン教授への授与変更せず ノーベル財団 – MSN産経ニュース

スウェーデンのノーベル財団は3日午後、2011年のノーベル医学・生理学賞の授与発表後に、9月30日に亡くなっていたことが判明したラルフ・スタインマン米ロックフェラー大教授について決定を変更せずに同賞を授与すると発表した。

同財団は1974年に「死者の業績は対象としない」と規定したが、この日の理事会で「授与はスタインマン教授が亡くなる前に決められており、受賞者が授与発表から授賞式までの間に死亡した過去の例と同じ」とみなして規定には反しないと判断した。

記事にあるように、受賞発表から授賞式までの間に死亡した場合にはそのまま、という前例があるので、そちらに従ったということのようです。ルールを厳密に規定して受賞を取り消すという選択肢も当然あったわけですが、遺族の感情に配慮したことと、こうしたケースは稀なので特例扱いにした、というところでしょうか。

さすがにこれが、死後何ヶ月も故人の遺志で死が伏せられていた、などといったものであれば、当然対応は違ってきたことでしょう。

ただ今回こうして特例をつくったことで、受賞が噂される人について、死亡の告知をノーベル賞発表後まで遅らせたり、強引な延命措置がとられるようなことが起こらないとも限りませんね。そもそも「存命中の人に限る」という規定も、見直していい気がします。

今年のノーベル賞の発表は、これからまだ続きます。アルフレッド・ノーベルの遺産により創始されたこの賞。話題性も権威も、やはり凄いものがありますねぇ。

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