先日のラジオ深夜便4時台「明日へのことば」で、静岡がんセンターの「よろず相談」のことが話題になっていました。
よろず相談と言うだけあって、がんという病気に直接関わることだけでなく、患者や家族の様々な悩み・不安などに耳を傾け、必要なら専門家や専門機関につなぐようにしているそうです。解決策を示せなくても、ただ話してもらい、それに耳を傾けるだけでも意味がある、という話が出ていたのが印象的でした。
ネットで検索すると、去年の10月に中日新聞がこのよろず相談のことを記事にしていました。
つなごう医療 中日メディカルサイト | 「よろず相談」の環境整備 県立静岡がんセンター 小沢慎次さん
がん患者や家族を支援するため、2006年にがん治療の拠点病院に設置が義務付けられた相談支援センター。モデルとなったのが、02年に開設された静岡県立静岡がんセンターの「よろず相談」だ。
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よろず相談には、治療法や在宅療養、経済的な悩みなど、さまざまな相談が寄せられる。相談員は訴えに耳を傾け、その根本にある不安などの解決策を探る。闘病で仕事を失うがん患者は多い。
「就労は、社会とのつながりを持つ意味もある。心の問題にも影響する」。以前、精神障害者と接して得た実感から、患者の就労を支援する仕組みづくりに奔走。同県沼津市の法人会と協力して、支援態勢を敷いた。
がんに限らず、ありとあらゆる病気に関して、こうした相談窓口が整備されるといいな、と思います。もっと言えば、病気に限らず、人々の悩みや不安、そしてお困りごとなどに耳を傾けてくれる相談窓口が全国津々浦々にあるといいですね。それも、「官」ではなくNPOなど民間の機関として。
今はネットにQ&Aサイトなどが多数ありますし、そうした場も大いに利用価値はあると思います。でもやはり、電話や面談、あるいはメールやチャットなどを通じて一対一で悩みなどを聞いてくれるというのは、また違った役割があるはずですし、それはこれからも求められ続けることでしょう。
また、一定の学習やトレーニングを経た上で、相談を受ける側として働くことも、人生経験の幅を広げるのにつながるのではないでしょうか。ボランティアとして、あるいはシニア世代の新たな就労先として、「働き口」としても大きな可能性を秘めているように思います。