日本人と個人主義

投稿者: | 2014-03-23

興味深い記事でした。

個人主義、日本では幸福感低い? 京大調査 : 京都新聞

日本では個人主義が強くなると、友人が少なく、幸福感も低い傾向にあることが、京都大こころの未来研究センターの内田由紀子准教授(社会心理学)らのグループの調査で分かった。個人主義が定着する米国と異なり、調和を重んじる日本の価値観に合っていないことが背景にあるとみている。このほどスイスの科学誌で発表した。

グループは、個人主義を集団との調和よりも個人の独立や価値観を尊重する考え方と規定。日本と米国の大学生計176人に「課題を他人よりもうまくやると自分に価値があると思う」「自分をどう思うかは学校や職場でどれだけ優秀であるかとは結び付かない」など55項目を聞いた。

各項目を指標として「個人主義傾向」「親しい友人の数」「幸福感」の相関を分析。友人の数が多いと幸福感は増したが、個人主義傾向が高いと友人の数、幸福感とも減った。

処世術という言葉があります。日本社会で生きていくには、他人とうまくやることが仕事の業績という面でも、本人の満足感という面でも、「成功」につながるのだと思います。

グローバル化が進めば、そうした日本人らしさみたいなものは薄れていくという見方があるかもしれません。でも私は逆のような気がします。日本人らしさになじめない人は海外に出たりして、日本列島に日本語を使って暮らす人々はますます「調和を重んじる」傾向が強まるのではないでしょうか。それは反面、「空気」の支配力の強い、息苦しい世の中かもしれませんが。

ともかく、日本社会で生きていくからには上記のような傾向を前提として、個人の生き方や組織運営を考える、というのが賢明です。私は自由主義という個人主義的傾向の強い思想の持ち主ですが、そんな私でも、日本の自由主義は英米などとのそれと同一ではあり得ない、と思いますもん。

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