格差についての議論、どうしても冷ややかに見てしまいます。
日本ではもっと重大な不公正があるだろうよ!と思ってしまうからです。格差論を声高に叫ぶ人が意図しているかどうかは知りませんが、格差にばかり焦点が当たると、結果的に大事なことを見落としてしまうおそれがあるのではないでしょうか。
一つには、多くの人が指摘するように世代間の不公平です。少子高齢化が進んだ我が国では、あとの世代になるほど先行世代の負担を背負い込まされます。社会保障がそうですし、財政のツケ回しもそう。マスメディアは高齢者が「お客さん」であることもあってこの辺の厳しい話はなかなか出にくいものですが、こちらは反乱や暴動が起こってもおかしくないほどの不公正ですよね、実際のところ。
もう一つは、正社員と非正規従業員の間にある格差です。といっても、前者も長時間の拘束など代償を支払っているので、どちらが恵まれているとは一概に言いにくいのですが。
ブームの観を呈しつつある格差論とは距離を置き、日本にとって本当に大事な問題に目を向け続けていきたいものです。