戒名って、いるの?

投稿者: | 2010-04-21

「葬式は、要らない」がベストセラーになっている島田裕己氏が、同じ幻冬舎新書で「戒名は、自分で決める」という本を5月に出すそうです。

続編というより姉妹編という感じでしょうか。前著を読んでいても戒名の部分だけは妙に力が入っていた印象を受けたので、自然なことにも思えます。彼の戒名に対するこだわりというか思い入れは、十分に伝わってきました。今回のはさすがに「葬式は・・・」ほど売れないでしょうが、そこそこ話題になるかもしれません。

この本も当然読んで見るつもりです。以下は、「戒名は、自分で決める」というタイトルだけを見て、現時点で思うこと。

仏教の素人が自分で付けた戒名は、いわば勝手戒名です。個人的には、「そんなものに意味があるのか?」と思います。

戒名がほしいならちゃんとお坊さんにつけてもらえばいい。菩提寺がイヤなら、他にいいお坊さんやいいお寺を見つけて、そこにつけてもらえばいい。もちろん、後者の場合は、お墓や供養などにおいて菩提寺との付き合いを立つ覚悟が必要で、手切れ金を請求されることも少なくないと聞きますが。

一方、そもそも戒名に金を払うのがバカらしいとか、仏教に関心がないというなら、なんでそうまでして戒名を手に入れたがるのか。巷にはすでに戒名生成のPCソフトとか、有料の戒名作成サービスなんてものが出回っていますが、そうまでして戒名にこだわる理由が私にはさっぱり理解できません。

現時点では「戒名は、自分で決める」はナンセンスだと思っています。望むらくは、この本がきっかけとなって、現代の日本人にとって戒名の持つ意味は何なのか、さらには一般の人間は仏教とどう関わるのが良いのか、といったところまで議論が深まっていってほしいものです。

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