数日前、こんな記事を見つけました。といって、いつも見ているブログなんですけど。
病院で死ぬか家で死ぬか、最期の日々を過ごす場所が残された家族の精神的健康に大きく影響 – GIGAZINE
自宅で亡くなった癌患者の遺族は病院で亡くなった患者の遺族とくらべ、PTSD(心的外傷後ストレス障害)となる確率が1/5となるそうです。
この調査をうのみにはしない方がいいと思います。「死ぬなら、病院より自宅の方が圧倒的に優れている」などと、結論づけないこと。日本で同様のことが当てはまるかどうかわかりませんし、自宅か病院かを決定づける要因が別にあって、それが「PTSD率」を左右しているのかもしれません。「そういう可能性がある」「中にはそんな調査結果もある(ただしアメリカでは)」くらいの認識で、ちょうどいいです。
とはいえ、もしそうした可能性があるならば、国が政策として進めている「自宅死推進」には、追い風となることでしょう。また、潜在的には自宅での死を望む人は多いでしょうから、そうした人にとっても心強い「証拠」になるかもしれません。
どこで死を迎えるか。これまで数十年間、いやおうなく病院死が「当たり前」になりつつありました。けれど、潮目は変わりつつあります。本人が望めば、家族が受け入れれば、そして医療上の環境が整えば、見果てぬ望みではなくなりつつあります。そうした流れが、家族にとっても「ため」になるものなのかどうか。我が国でも、慎重な検証をお願いしたいものです。
もっともそこで無関係、となっても、自宅死推進の方向は変わらないでしょうし、変わるべきとも思いませんけどね。考えにくいことですが、逆に自宅の方が良くない(しかも圧倒的に)、なんてデータでも出てこない限り。