トランプ新政権と日本

投稿者: | 2016-11-15

トランプ大統領の誕生は、日本にとっても大きな衝撃となりそうです。

まず経済面では、TPPが頓挫するのを始め、貿易・サービスの自由化やグローバル化が停滞ないし逆流することになりそうです。少なくともトランプ政権の初期においては。日本としては、アメリカ一辺倒にならず他の国を巻き込む形でその逆回転に歯止めをかけるように努めるほかありません。当然「他の国」には中国も含まれます。

一部では、減税と財政出動を組み合わせた「トランプノミクス」がアメリカに好景気をもたらすのではないか、という希望的観測があります。またビジネスマンであるトランプ氏のこと、規制緩和など経済にプラスになることはなりふり構わず進める可能性もあります。アメリカが好景気を謳歌することになれば、日本もその「おこぼれ」を享受することができるかもしれませんね。

次に安全保障面。トランプ氏は選挙戦において米軍駐留経費の問題など、これまでの日米同盟が築いてきた関係や決めごとをひっくり返そうかという姿勢をたびたび見せてきました。日本の外交・安保当局者は戦々恐々としているのではないでしょうか。安倍首相が早々と彼との会談を持ちかけたのも、そうした焦りや不安の表れと映ります。

これに関しては、日本も国防面でのハード・ソフトの整備といった「やるべきこと」を粛々と進める一方、各種のルートを使ってトランプ外交が暴走しないように働きかけを強めていく、という方向しかないでしょう。アメリカにおんぶに抱っこでやってこれたこれまでと違い、自律的・自立的な国防を考えざるを得ないという意味ではチャンスとも言えますし、この機会を活かすべきです。

昨年の安保法制論議で見られたような現実離れした「平和論」みたいなのとは、この際きっぱりと決別したいものですね。

さて最後に、「トランプ旋風」が日本の政治状況にどんな影響を与えるか、ということです。日本でもそのうち、右翼的な言辞で大衆的人気を博す総理大臣が出てくる可能性はあります。極端な方に流れないためにも、きれい事や建前の議論はほどほどにして、庶民の望みに応えてくれる政党へ脱皮しなければなりません。

今のところ期待できるのは自民党のほか、維新の会あたりということになるでしょうか。ここで民進党の名を挙げられないのは残念です。日本で右翼的ポピュリズムが成功するとしたら、「民進党がだらしなかったから・・・」ということになるのではないでしょうか。今回トランプ当選を許したのがヒラリーがあまりに不人気だったから、というのと同じように。

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