惜しまれる日本漢字能力検定協会の振る舞い

投稿者: | 2009-04-22

漢検協会をめぐるニュースが連日紙面を賑わせています。毎日電車に乗る度に、電車の窓に貼ってある広告を見ながら、複雑な心境に駆られます。

【主張】漢検協会 運営を抜本改革し出直せ – MSN産経ニュース

この問題のポイントは、公益法人うんぬんということは別にしても、この事業が前理事長の私腹を肥やすために利用された、ということにあります。検定料を値下げするとか、事業の収益を「漢字文化振興」のために投入していれば、逆にほめられ、事業そのものもますます発展したでしょうに。要は、パワーの使い方を間違えたということ。

これで漢字能力検定が廃れるとは思いませんが、少なくとも一時的には事業の停滞は避けられないでしょう。受検者も激減するでしょうし。

最近社会起業家が話題になるなどしていましたが、これだけの知名度を持つ団体が、私益に駆り立てられて運営されていたのかと思うと、がっかりです。前理事長がどれだけ漢字文化に造詣のある人だったのかは知りませんが、漢字を大事にするなら、あわせて東洋に連綿と息づく「徳」の教えも体得していただきたかったものです。

会見で記者からは「今の心境を漢字一文字で言うと?」という質問が出たとか。良いセンスしてますね。

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