私のいる遺言業界では、脅しの商法とでも言うべきものがあります。
失敗例とでも言うべきものを持ち出してきて、これはやめなさいとか、専門家に相談しなさいとたたみかけるものです。これに対しては、非常な反感を持ちます。
良くないのは、失敗例として挙げられるケースが、必ずそうなるといったものではなく、そうなる場合もあるといった程度のものが多いことです。ひどいのになると、非常なレア・ケースや実際には起こり得ないものを、脅しのネタとして使っているケースもあります。
そしてもう一つ、この商法が問題なのは、専門家たる自分の儲けにつながるような、いわば営業トークとしてなされるケースが多いことです。自分の利益のために現実をねじ曲げて伝えているわけで、これはたちが悪い。悪く言えば、詐欺師の領域に片足突っ込んでいる、と言わざるを得ません。誠実であるべき専門家として、これは言語道断です。
遺言の分野から脅しの商法をなくすべく、今後私は、こうしたものを見つけ次第、強く糾弾していく所存です。