NHKの一連のキャンペーンのおかげ(?)で、無縁社会という言葉がすっかりポピュラーになってしまいましたね。
一番最初のNHKスペシャルでも指摘されていましたが、無縁社会の根本原因は、未婚者・非婚者が急増していることにあります。従って、生涯未婚率の上昇というトレンドが続く限り、無縁社会対策は何をやっても対症療法の域を出ないことになります。
もちろん対症療法に意味がないというわけではありませんが、この根本原因の芽が摘まれてこそ、対症療法の効果もあろうというものです。従って、無縁社会を考える時には未婚化・非婚化の問題を避けて通ることはできません。
ではなぜ、未婚化・非婚化が進んでいるのか。
若者の収入がどうの、といった説を出す人が多そうですね。その点は今後利いてくるかもしれませんが、これまでの大きなトレンドに直接影響しているとは言えません。私の説は、女性の高学歴化とそれに伴う「社会進出」で、恋愛や結婚における男と女のパワーバランス、あるいは秩序が崩れ、しかも新しいそれが生まれていないから、というものです。
もちろんそれ自体は望ましくないとも元に戻せるとも思っていません。結局は、新たな男女関係、夫婦関係の型をつくりあげていくしかないんだと思います。要は「昔は良かった」と言っていても仕方がない、ということです。
従来私は、非婚化はとめどなく進むんじゃないかと考えていました。今は、案外あるところで流れは止まり、逆転することもあるんじゃないかという気がしています。漠然とした予測に過ぎませんが。そして無縁社会が喧伝されることも、非婚率上昇に歯止めを掛ける一助となるように思います。