震災で人生観や死生観が変わった?

投稿者: | 2011-04-07

そういう人、少ないかもしれませんね。

でも私は、当人や家族・知人が被災したならいざ知らず、そうでない人が「震災を機に物の見方や考え方が変わった」と言うのを耳にすると、付いていけないな、と思ってしまいます。

それはきっと、既に40年ほど生きてきて培った考えは、災害一つで変わるものじゃないという自負があるからでしょう。そして「変えたくない」という保守的な根性も。あと私自身、13歳の時に郷里で100人近い死者の出る水害を体験しているので、今回の震災の衝撃度もしょせん程度の違いに過ぎない、という思いもあります。

3万人の死者が出る災害に「たかが」という言葉を使うのは、不謹慎かもしれません。でもたかが一つの震災で、大の大人の「人生観」や「死生観」が変わるのはおかしい、という気持ちは揺るぎません。そもそも今回の震災でそうなるなら、日本や世界で起こる数々の災害や紛争のたびに人生観が揺らぐ、なんてことになりかねませんからね。

さて傍観者としての私はそんな感じですが、被災地の方々にとっては、生き残った場合でも人生において最大級の「事件」となったことは確かでしょう。価値観が揺らいだり変わったりしても、全然不思議ではありません。死生観なり、葬送についての意識も、東北では従来と違ったものになるかもしれません。その辺は、注意深く見守って行こうと思います。

明日で震災から4週間が過ぎます。そろそろこのブログも、日常モードに戻していかねばなりませんね。今後も震災関係のことで記事を書くことはあろうかと思いますが、意識的にそうでないネタを増やしていくつもりです。この記事は、そのけじめのつもりで書きました。

私の好きな作家の一人である橘玲さんが、4日に下記の文を投稿していました。上記の私の考えとは正反対の趣旨ですが、とても真摯なお言葉で、その点には強く感銘を受けました。

大震災のあとに、人生について語るということ | 橘玲 公式サイト

泣いても笑っても、我々はこれからもそれぞれの信念に従って生きていくしかないのですよね。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください