風評被害という「敵」

投稿者: | 2011-04-14

最近メディアでもネットでも、「風評被害」という言葉を頻繁に目にします。

これまでもいろんな汚染物質などで、農作物や魚介類の風評被害が起こってきました。この問題は悩ましいところがあって、仮に政府などがきちんと検査して「安全だ」と太鼓判を押しても、「何となく、気味が悪い」と避けられてしまうのは防ぎようがない、というところです。

我々は日々、いろんな選択肢の中から買い物をしています。多くの選択肢がある中で「これはもしかすると、害があるかも」と心配なものがあれば、それを避けるのは人情でしょう。そうした人が全てではないにしても、当該の産物の売上げが激減するのは容易に想像できます。

まずはメディアや政府が正確で冷静な情報発信をすることに尽きるのでしょう。そして本件に関しては、何よりも原発事故の収束が待たれます。

さて今回のケースがとりわけ深刻なのは、日本で大きな原発事故が起きて放射性物質が放出された、あるいは事故対応の仮定で放射能に汚染された水が海に流された、というのは世界中の知るところとなっており、日本のあらゆる産物、製品が風評被害に見舞われる恐れがある、ということです。下記みたいなことがあるとすると、日本人いじめだって起こりかねません。

東日本大震災:「放射能怖い」福島からの避難児童に偏見 – 毎日jp(毎日新聞)

農業分野の貿易自由化への対応として、海外への日本産農産物の輸出が振興されていました。あるいは、世界のいたるところに寿司など日本食を提供するお店が進出し、ブランドを確立しつつありました。そうしたことが、今回の件でご破算になる恐れがあります。

そして下記のような話があると、メーカーですら無縁とは言えません。

Togetter – 「かなり厳しい話」

まずは原発事故が収束することが大前提ではあります。それにしても、我々日本人には、震災からの復興に加え、放射能汚染についての風評被害というきわめてやっかいな「敵」と戦わねばならないようです。それも、相当な長期間にわたって。

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