お金持ちはますますお金持ちに

投稿者: | 2011-08-31

よく知られていますが、ここ20~30年、先進国では「富の集中」とでも言うべき現象が起こっています。

大金持ちが、社会の富をますます独り占めにする傾向です。

富めるものはより豊かに世界の億万長者数が最高記録 ガーディアン UK | World Biz News | 現代ビジネス [講談社]

「億万長者」よりももっと豊かな「超億万長者」も増えている。同じ統計によると、世界には3000万ドル以上もの純資産を持つ超富裕層が約10万人いて、前年比で10%増えたという。その資産はしめて約15兆ドル。これは富裕層全体の1%にも満たない人々が、その総資産の約35%をも占めている計算になる。

これには二つの要因があると考えられます。

  • グローバル化やIT化で、「稼ぐチャンス」が広がった
  • 世界にマネーがあふれており、資産が資産を増殖させている

こういう話題になると、「格差は良くない!」といった話に流れがちですが、それは措きます。ここで言いたいのは、国家も企業も、そうしたお金持ち、大金持ちを引きつけることを考えるべきではないか、ということ。企業については「ターゲット」がありますので一概には言えませんが、少なくとも国家は、お金持ちを引きつけることを考えた方が賢明です。

というのも、お金持ちがその国にとどまり、場合によっては海外からやって来てくれるようなら、

  1. 経済が拡大する
  2. 経済的に成功するチャンスが増える
  3. 税収が増える

といった効果が期待できるからです。「格差」といった時には貧困層・底辺層が問題になるかと思いますが、それは別途手当てすべきですし、そもそもお金持ちを痛めつけたら、長期的にはその手当ての原資だって先細るじゃないですか。その意味で、税制などで「金持ち優遇」ならぬ「金持ちいじめ」をするのは、庶民にとっても自滅的行為と言わざるを得ません。

なお、お金がお金を生むような風潮は、先進国で金融が緩和的な状況が長く続いているためでもあります。金融政策で景気を無理に持ち上げるようなことをするのは、経済的にも社会的にもひずみが大きいと、私は思います。金融政策に頼るのは、景気が悪循環的に悪くなるのを押しとどめる場合に限定した方が良いでしょうね。

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