「テロとの戦い」は、終わらない・・

投稿者: | 2011-09-19

もう一週間以上過ぎてしまいましたが、2001年の米同時多発テロから、10年が経ちました。

あの日、現地で世界貿易センターの倒壊を目にした人はもとより、テレビでそれを目にした人にとっても、忘れがたい現代史の一コマとなりました。そしてあれが、今もなお続く「テロとの戦い」の起点でもありました。

10年の節目を機に、いろいろな検証がなされています。根本にある問いは、「我々は、テロとの戦いに勝利しつつあるのか?」「そもそも、テロとの戦いは間違いだったのではないか?」といったことでしょう。

「テロとの戦い」に反対する人の主張に従っていたら、世界はどうなっていたか。それは選ばれなかった道なので、今となっては仮定の話でしかありません。彼らの言うように、武力ではなく対話でことに当たっていたら、どうなっていたか。あるいは、構造問題とされたアラブ社会の貧困問題や、パレスチナ問題に真摯に取り組んでいたらどうなっていたか。

私自身は、先進諸国での大規模テロが散発的にしか起こらなかった以上、テロとの戦いはおおむね勝利を収めつつある、と言っていいと考えます。アラブ諸国でイスラム過激派とは無関係な民主化運動が続発したのも、「追い風」と言っていいでしょう。

ただ問われるべきは、人的損耗の点でも、費用の点でも、高く付きすぎたのでは、ということです。端的に言えば、我々はもっとスマートに対処できたのではないでしょうか。そしてそうした反省や分析は、同時多発テロが起こる以前のアメリカ外交・先進国外交にも向けられるべきでしょう。

我々はいまだ「テロとの戦いに勝利した!」と宣言できる状態にはありません。そしてきっと、そんな時は相当先まで来ないのでしょう(もしかしたら、未来永劫に)。でも中長期的に見て、テロの危険が減り、軍事費に膨大な支出をしなくて済むような国際社会を構築していきたいものです。もちろん、テロや紛争で亡くなる人も、極力少なくなるように・・・。

「テロとの戦い」に賛同するかしないかに関係なく、こうした流れに反する言動を取る人は、「敵」と言わざるを得ません。テロリストやテロ組織そのものはもちろん、それを是認したり、擁護するような人、テロとの戦いの足を引っ張るような人も。

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