援助の世界では、かねてから指摘されてきたことです。
困っている人がいるから助けるわけですけど、結果としてそれが、援助への依存を生み、自立の妨げになる、と。支援のパラドックスと言ってもいいでしょう。
だから支援するな、ということではありません。安易な支援は控えるべきだし、仮に支援するとしても、当人の自立を促進する方策を工夫する必要があるんです。よく言われる「自助・共助・公助」も、あとのものが「頑張る」と、前のものが育つのを邪魔する、という意味を押さえておくべきでしょう。
支援に携わる人たちには、心優しき人が多いです。それだけに、善意から自立を阻害しているケースがなくはないように見えます。彼らも知識としては知っているでしょうが、活動の中でそれがそっちのけになりがちなのです。くどいほど再確認・再徹底すべきでしょうね。
では、自立を促す支援とは、どういうものでしょうか。
- 自立に向けた努力を支援する
- 支援継続に条件を付ける
- 現金給付のように「楽な支援」を極力避ける
- 自立のため、おせっかいなほど関与する
こういったところでしょうか。この原則、子育て、生活保護、障害者、過疎地域、中小企業、農林水産業、精神疾患者などなど、あらゆる「支援」に適用できるはずです。
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