「志金」を集める

投稿者: | 2013-08-02

火曜日のEテレ「ハートネットTV」で、名古屋のNPOバンク「momo」が紹介されました(momoは自らを「コミュニティ・ユース・バンク」と名乗っています)。

ハートネットTV:2013年7月30日の放送 – NHK福祉ポータル ハートネット

鈴木さんを救ったのが、コミュニティ・ユース・バンクmomo。市民からお金を募り、地域のための事業へ融資するNPOバンクです。最大の特徴は、若いボランティア、名付けて“momoレンジャー”が融資先を支援をしていること。「ふれ愛名古屋」のホームページやチラシはmomoレンジャーの手によるもの。

鈴木さんは「お金よりも人の心を借りた」と語ります。momoを立ち上げた代表の木村真樹さん(36歳)は、大学卒業後、地域貢献の仕事がしたいと地元の銀行に就職。しかし当時(2001年)は国家的な不良債権処理のまっただなか。地域の事業に融資できずジレンマを抱えていました。momoの活動を始めて8年、木村さんが今、取り組んでいるのは、「あいちコミュニティ財団」を設立し、創業まもないNPOを市民からの寄付で支えること。さらに、事業の発展に伴い、地元の金融機関が融資するというしくみづくりです。

お金を出すだけでなく、若者ボランティアを通じてNPOを支援する。それがNPOの事業運営に支えとなり、結果として貸し倒れは今のところ皆無だと言います。今後はNPOの事業ステージに応じて、財団→momo→地域金融機関と引き継いでいくスキームを確立させていこうとしているとのこと。

グラミン銀行のようなマイクロクレジットを、今の日本でそのままやるのは難しいと思います。連帯責任なんて、負えないでしょうから。その点momoのような仕組みは、名古屋だけでなく日本各地で展開可能だと思います。各地にこうしたNPOバンクがいくつも設立され、融資先のNPOの事業内容に応じて棲み分ける、なんてところまで行けば理想的なんですけどね。

それにしても、今回番組に登場した木村さんは、銀行からのスピンオフ組。以前紹介した枋迫篤昌も、東京銀行を退職して金融会社を始めたんですよね。各地の志ある金融マンが、それぞれの地域で金融の力を活かして社会を変えていくことを期待したいものです。そして私自身も、いずれはこうしたNPOバンク等に「志金」を出す側に回るつもりです。

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