日本社会にはいろんな問題点がありますが、その一つが医学の知見を踏まえていない、それどころか明白にそれに反するような言説がまかり通っていることでしょう。
健康についてだったり、怪しげなナントカ療法だったり。
私自身は、医学について過大評価はしていないつもりです。生命や人体について解明できている部分はまだわずかなので、医学の知らないこと、医療にできないことはヤマのようにあるからです。また、医学・生命科学が捉えきれていない生命・人体の未知の作用やパワーなるものも当然あるだろうな、と思っています。
それでも日本の現状では、それを強調するのは得策ではなさそうです。
まずは医学が突き止めたことをしっかり周知させて、それに反するような言説に対しては眉につば付けるような流れをつくらないといけません。それには一般人も最低限度の医学リテラシーみたいなものを持っておいた方が良いです。多くの人はそれ以前に、科学というものの何たるかがそもそも理解できていないんじゃないか、という気もしますけどね。
医者になったり医学の研究者になるためには膨大な時間勉強しないとならないでしょうが、一般人にとって必要な知識を習得するためならそんなに時間は掛からないはずです。民間放送でやっているようなくだらない健康番組・医療番組を観る時間があったら、まともな本を何冊か呼んだ方がましでしょう。
できたら、「まずはこの本!」みたいな感じで万人に勧められる大人向け医学入門書みたいなものがあると良いのですが。