「感謝の会」を開いたコマツ元社長・安崎暁さんの会見録を読む

投稿者: | 2017-12-20

12月11日に開かれた安崎さんの「感謝の会」、その後もいろんなメディアが記事にしていることもあって余波が広がり続けている印象です。この件については7日に一度書いています。→こちら

会の3日後にNHKが、9日経った今日になって東京新聞が記事を出しています。元社長とはいえ個人のイベントがこんなに記事になるのは異例。やはり告知の新聞広告がネットで大反響だったことも大きいでしょうね。

末期がん元社長 最期の選択|NHK NEWS WEB(2017-12-14)
東京新聞:延命選ばず 最後の感謝 コマツ元社長 安崎さんが生前葬(2017-12-20)

上記2つの記事はそのうち読めなくなると思われますので、お早めに。

そして産経新聞のサイトは18日に会見の詳報を掲載しています。11ページにわたる長文記事ですが、味読に値しますね、これは。

「延命治療お断り」「最近の企業不祥事は日本の衰え」コマツ元社長「生前葬」後会見詳報 – 産経ニュース(2017-12-18)

生前準備に関わるくだりで印象に残った言葉を以下に抜き書きします。

年齢、仕事、家庭環境、介護を必要とするかなど、個人個人で違うと思うので、私は自分の健康状態と病気、80歳という世間的には『これぐらいでいいか』という年齢を考慮して、(感謝の会を)やりたいと思いました。

(残りの人生は)あまり長くないかもしれないが、クオリティー・オブ・ライフとは一体何だと。健康で歩ければいいのかと。それからがんが治ればいいのかと。いろいろ考えて結論はまだ出ていませんが、単に健康とか体だけでなく、やっぱりスポーツでいうところの『心・技・体』。この目標に向かって生きていくと。

私は人生を十分楽しんできたし、若い頃から死生観があって現役の間は一生懸命働いて、適当なときに死んでいくと。死に方をどうしようかとはおぼろげに考えていて、最近やっと体を壊して考えるようになったが、棺おけに入ったときに『人生良かったな』と思って入りたいですね。

もし余力があるなら、以下のようなことをまとめて一冊の本にしていただきたいものですね。ご自身で執筆するのは大変でしょうから、口述筆記かインタビュー形式で構いませんから。

  • 自分の仕事人生について
  • コマツという会社について
  • 日本の経済や社会について
  • 自分の老いや病、死とどう向き合おうとしているのか
  • 今回の「感謝の会」について
  • 後の世代の社会人・日本人に伝えたいこと

男性の私としては、世代も職業的な立場もかけ離れているとはいえ安崎さんの言葉には絶大な関心を持つところです。これまでも俳優の入川保則さん、流通ジャーナリストの金子哲雄さんから多くのことを教わりましたが、安崎さんからもたくさん勉強させていただきたいと思っています。

そしてこれに続く経済人がどんどん現れてほしいものですね。何も生前葬だけではなく、それ以外にやり方・表し方は人によっていろいろでしょう。生前準備はみんながやる、ただしやり方は各人それぞれで。そうしたことが定着する大きな契機になりそうな予感がしています、今回の「感謝の会」は。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください