緩和ケアなど終末期医療に携わる医療者の本をよく読み、勉強させてもらってます。
ただ最近気になるのは、宗教とか信仰心についての言及がほとんどないことです。当の医療者は熱心なキリスト教信者であることも少なくないようなのですが。
死を前にしたときの心構えについては、いろいろなことがあるでしょう。けれどやはり、当人が生きている間に何らかの信仰を持っていたか、そうでないかというのは決定的な要素なのではないでしょうか。
多くの医療者は薄々そのことに気付いているはずです。けれど医療の現場では、なかなか宗教について話題にするのは憚られる、という風潮があるのかもしれません。また一般向けに本を書く際にも、宗教について触れることはタブーになっている感すらあります。
世の中にはいろんなことを調査する学者や機関があるものですが、「信仰の有無が死にぎわの心理に与える影響」ということも真剣に研究されてしかるべきではないでしょうか。
まずもって、現代日本においては死を語る際に宗教・信仰心に言及されることがほとんどない、それは異常であり、異様なことなのだ、と自覚したいものです。