1ヶ月ほど前に、「低金利がもたらす経済の低迷」なる記事を読みました。
ウォールストリート・ジャーナルの翻訳記事で、今は有料会員しか読めなくなってますけど。
ただ、かねてから「日本において、低金利ってむしろ経済にマイナスじゃないの?」と思っているクチとしては、膝を打つようなネタでした。他方でこのことが広く議論されるに至らないのも、今の日本社会の「闇」とか思います。
今の日本の金利って、コンマ以下です。金を借りる際にはそれなりに利子が必要ですが、他方で庶民が銀行に預金していてもほとんど増えないし、多くの人は手数料や銀行取引にかかる時間を考えると実質的にはマイナス金利みたいなものでしょう。
よく言われるように、貸し手から借り手に膨大な所得移転が行われています。適正金利なるものが計算できないので、どれたけの規模かは言い難いですけど。
ともあれ、そのことを含めて、
「金利が低ければ投資が活発化し、経済が活性化する」
「円が安ければ日本の輸出産業が有利になり、産業界が潤う」
といった固定観念みたいなものが自明でなくなっているのは確かでしょう。
個人的には、円高・金利高はむしろ日本の内需・消費にとってはプラスだと思っています。無理やり円高・金利高にしろとまでは言いませんが、今のように無理矢理その反対の円安・金利安をキープするのは、害多くして益はほとんど無いんじゃないの?という考えです。