「資産寿命」という言葉、そして考え方

投稿者: | 2019-06-05

金融庁の金融審議会ワーキンググループがまとめた報告書「高齢社会における資産形成・管理」について4日の新聞各紙が報じていました。

「人生100年時代」というのもこの数年でとてもよく使われるようになった言葉ですが、この「資産寿命」という言葉も今後よく耳にし、目にするようになるかもしれません。健康寿命という言葉が中高年以上にとっては常識みたいになっているように。

さて年金「だけ」では老後、それも長ければ30年を超えるような老後の生活を賄いきれないのは明らかで、年金収入を補うだけの金融資産を現役時代から形成しておかねば、というのはごもっともです。そのためにはできるだけ若いうちから少額でも良いので「長期・分散・積立」の投資をするのが王道ということも。

けれど「貯蓄から投資へ」なんてスローガンはたぶん20年くらい前から聞いていますが、日本人の間でそうしたシフトが起こっているとは思えません。投資を飛び越えて投機、博打に走っている人は一部にいるようですけど・・・。

その意味では、国民全体のマネー・リテラシーの向上みたいなことが迂遠ではあっても結局は近道なのではないかな、と思います。この辺、健康寿命の伸長を目指す上で国民のヘルス・リテラシー向上が不可欠、というのと呼応している感があります。情報やコンテンツはあふれんばかりなのに、受け取る側のリテラシーが追いついていないために右往左往してしまう、みたいな。

そしてこのニュースが「年金だけでは、やっていけないんだってよ」みたいな形で広く報じられること自体も、マネーに関して保守的な高齢者の財布の紐をさらに締めさせるんじゃなかろうか?と懸念しています。

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