ここのところ欧州を起点として環境保護主義が勢いを増しています。
スウェーデン人の高校生、グレタ・トゥンベリさんはその象徴でしょう。飛行機は環境に悪いから乗らない、といった運動が起こっているというのを聞くと、さすがに日本など東アジアとは温度差があるな、感じます。
とはいえ、若い世代の間で環境への意識が高まっているのは確かなようです。この流れ、私などは警戒心を持って見てしまいます。経済成長への顧慮を欠き、やや非現実的に思えるからです。「健康のためなら死んでもいい」という冗談がありますが、環境重視を言う人たちは環境のためなら経済活動が大幅に縮小してもいい、むしろその方がいいと考えているフシがあります。
個人が質素でつつましい生活を送るのは自由ですが、国全体・世界全体で「清く貧しく生きよう!」と呼びかけるのは、さすがに無責任でしょう。環境に敏感なのは豊かな国に暮らす比較的裕福な層の人たちですので、余計にその偽善性が鼻に付きます。
さて将来若者たちの間で「環境は大事」という意識が共通のものとなったら、どうなるでしょうか。ライフスタイルが変わるのはもちろん、政党の選考にも影響してくるでしょう(現に欧州では緑の党がビックリするほど躍進し始めています)。ひいては、子づくりを忌避したり早めに死のうとする人たちも出てくるかもしれません。
何にしろ、若者たちが敏感になればなるほど世代間の感覚差が広がり、いずれは確執のようなものが起こるかもしれません。そのことを最近、危惧するようになりました。