いろんな職場(サービス業が多いですが)を見ていると、機能しているリーダーがぞっとするほど少ないことに気付きます。
いわゆるピーターの法則というヤツもあるでしょう。各人はおのれの能力の限界の一つ先まで昇格する。よって、その限界に達していない者を除き、組織のポストはすべて無能な者によって占有される、というアレです。
ただ日本人は昔から、顔の見える範囲の小集団においては、有能なリーダーを輩出してきました。現代の日本に特有の事情、というのもありそうです。
あくまで仮説ですが、以下のような原因が考えられます。
まず、人権や民主主義の観念が一応浸透したために、リーダーよりもむしろフォロワーのほうが、「まつろわぬ民」になって、組織運営がうまく行かないケースが増えているのではないかということ。
次に、情報過多の時代になって、リーダーたるに堪える人格を養うのが、以前より困難になっているのではないかということ。「人格を養う」という言葉が時代錯誤に聞こえてしまうことは、逆説的にその証左と言えましょう。この点については、別途エントリします。
最後に、多くの組織において(ひいては、あらゆる教育の場において)リーダーを育てるための体系的な教育や訓練がないがしろにされているということ。端的に言って、今の我が国は本気でリーダーを育てようとしていないのです。これには、最初に述べた民主主義社会化も大きく与っていると考えられます。
まともなリーダーがほとんどいない。そのため、組織のパフォーマンスが著しく低く、メンバーの満足度も低い。これって、今の日本にとって、大問題中の大問題だと思うんですけどね。