NHKスペシャル「介護保険が使えない」を観ました。高齢化の入り口に過ぎない今の日本でこの状態。「先が思いやられるな」というのが、率直な感想です。
NHKスペシャル|介護保険が「使えない」 ~10年目の検証~
老老介護という言葉がありますが、将来の我が国は、国全体が老老介護といった状態にならざるを得ないでしょうね。数少ない有能な若者を医療や介護の分野に投入するのは、人的資源の浪費に他なりませんから。
さてそれではどうすればいいか。単純に考えれば、対策の柱は2つあるように思います。
- 介護のニーズをなるたけ抑える
- 介護をできるかぎり人手の掛からないものにする
前者については、介護予防やリハビリの浸透はもとより、介護が必要になったら自死するというのを一つの選択肢として公認することも含まれます。あくまで介護を受けたい人は、一定の資産を持った上で、高額の介護保険料を納めるか、もしくは自ら介護労働を現物納付することも求めなくてはならないでしょう。貧乏な人、しかも元気な時に介護労働での貢献がない人は、家族を犠牲にでもしない限り、介護される資格はない、ということになりそうです。
後者については、介護ロボットのような機械に代替・補完してもらう途と、介護そのものを効率化・省力化する手順や用具等を開発する途があるでしょう。いずれにしろ、一人の人を介護するのにもう一人が仕事など社会生活を犠牲にしなければならない、なんて状態が持続可能なはずがありません。
個人的には、両親はまだ還暦を過ぎたばかりで介護の問題はまだ遠い先の話という感覚です。それでも番組を観ながら気が滅入って仕方ありませんでした。国全体が介護の問題に押しつぶされそうになるとしたら、日本の未来はひどく暗いと言わざるを得ません。