何日か前、私がフォローしている葬儀業界関係者の間で、Ustreamなんかを使って葬儀を中継するのはどうだろうか、といった議論が交わされていました。
今後は、個人もネットにつながったビデオカメラを持ち、日常的にそれをストリーム中継するようになると思われます。葬儀も、その流れに影響される可能性はあるでしょう。
少し考えても、次のようなケースでは中継へのニーズがあります。
- 親族が海外にいるとか入院しているなどで葬儀の場に立ち会えない場合
- ファンを多く抱えたアーティストや文化人の葬儀
- 交友関係が幅広く、故人の死に関心を持つ人が膨大にいる場合
ただ、一般の人の場合には、中継へのニーズはそれほど大きくないのではないかと思います。むしろ葬儀の様子を写真や動画で撮影しておき、後からネットを通じて観られるようにする、いわばライブラリー的な方向の方が、ニーズが高いんじゃないでしょうか。葬儀に参列した遺族や知人にとっても、回顧や追悼の良いツールとなるはずです。
中継も良いけど、ログにするのはもっと意義深い、と言いたいですね。
少しだけ妄想めいた話を最後に。上記は、ニーズがあって初めて葬儀を中継する、という前提でしたけど、中継の人的・経済的コストが下がれば、むしろ中継するのがデフォという時代が来ないとも限りません。たとえば、ストリームサービスのメニューの中に「葬儀チャンネル」みたいなものができるとか。
赤の他人の葬儀なんて、観ても仕方ない、というのが今の感覚ですが、これから葬儀が個性化すれば、他人が何かしら学べることや感じることは増えてくるかもしれません。ましてとんがった葬儀でもあれば、Twitterなどを通じてその情報が瞬時に広まり、数千人のアクセスを集める、なんてことも考えられなくはありません。
結論から言うと、葬儀の場にビデオカメラが持ち込まれ、葬儀が「ネタ」として消費されるようになるのは、かなり蓋然性の高い話だと思います。