グリーフケアとグリーフサポート

投稿者: | 2010-03-04

昨日、Twitterで私がフォローしている人たちの間で、グリーフケアやグリーフカウンセリングに安易に携わる人への疑問の声が聞かれました。

私は常々、「グリーフケア」という言葉に居心地の良くないものを感じています。グリーフは、それに直面している本人が主体的に乗り越えていくべきものであり、周囲ができるのは、せいぜいのところ「サポート」に過ぎない、と考えているからです。ケアという言葉の背後に見え隠れする、おためごかしで偽善的な態度も、気にくわないのです。まぁ、これは単に好みの問題ですが。

ましてや、少し本を読んだりセミナーを聴講したくらいでグリーフケアの専門家を名乗ったり、あまつさえそれを金儲けに利用しているとあっては、猛烈な嫌悪感を持ってしまいます。

もちろん、グリーフが「重篤」化し、本人や家族だけでは立ち直れなくなる場合もあるでしょう。その場合は、きちんと専門的な教育・トレーニングを受けた医師や臨床心理士などがコトに当たるべきです。対処に失敗したら事態を悪化させ、最悪遺族の自殺につながるおそれもないとは言えないので、素人に毛が生えたくらいの人が安易に介入するのは、犯罪的とすら言っていいと思います。

個人的には、この分野の専門性と言っても、江戸時代の医師くらいのレベルなんじゃないかと思っています。確立されたノウハウというものがあまりに手薄で、結局は携わる人の暗黙知から来るスキル、さらには人としての感性や懐の深さといったものが、介入効果を大きく左右するんじゃないでしょうか。本当の意味で「プロ」というのが成り立つのかどうか、疑問に思うくらいです。

とはいえ、医療関係者や葬儀・供養業の関係者は、グリーフについて一定の知識と構えを持っていてしかるべきだと思います。少なくとも、悲嘆を助長・悪化させるような言動を軽はずみにとってしまわないためにも。そして繰り返しますが、これを商売のネタにしちゃ、いけません。

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