すでに4日前のものですが、面白い記事がありました。
お金が人を幸福にしない理由:心理学実験から | WIRED VISION
ある程度裕福になると、それ以降は裕福度が増しても幸福度は増すわけではない、というのはよく知られた事実です。それに加え、
われわれの研究は、人間の楽しむ能力に関しては、富を連想させるものを見るだけでも、実際に富を得るのと同じ有害な影響が生じることを示している。楽しいことを経験できるという認識を持つことは、それだけで、日常の楽しみを損なうのに十分な効果があると考えられる。
だそうです。記事ではアーミッシュが引き合いに出されていますが、「足るを知る」者こそが、最も精神的に充実している、ということなのかもしれません。
マスメディアによって、さらにはインターネットによって我々は世の中にある「より良きもの」を簡単に目にすることができるようになりました。おかげで、日常の些細な「幸せのタネ」に対して鈍感になっているかもしれない、とは私も時折感じるところです。
それでは、我々はどうすればいいのでしょうか。陳腐かもしれませんが、モノではなく、精神的な部分での満足を目指すべきではないでしょうか。人の役に立つとか、充実した時間を過ごすとか、好きなことに耽溺するとか。この辺のことについてのスキルの差は、人の能力差以上に大きいでしょうから、我々は「幸福格差社会」にいるのかもしれません。
ところで、お金はある程度以上になると幸福に無関係、というテーゼは、ある種のイデオロギーの持ち主にとっては強力な累進課税を正当化する根拠になるかもしれませんね。私はこれにはイデオロギー上の理由で反対です。これについては、また別途。