いつもブログを拝読している方が、医療、病気について書いておられました。
まだ40歳の私には、想像するしかない心境なので、参考になります。
今回の入院がつらかったのは、前回の入院では癌切除という明快な目的と回復への希望があったのに対して、今回は得体の知れない病原との消耗の戦いになったからでした。この違いは大きく、つまりは弱って行く肉体をどのように支えながら生きるかという、後期高齢者の医療に踏み込み始めていることを自覚したのでした。
病、老い、そして死。年を取るにつれて、またいろんな経験をするにつれて、これらのとらえ方は変わってくるんだろうと推察します。大まかに言えば、より切実なものとして感じ、同時に「受容」といった方向に進むのでしょう。
もとより個人差はあって当然で、万人がこのように感じるはずだ、とか、感じねばおかしい、ということはありませんが。
個人的には、上記のような認識変化は好ましいことだと感じています。自らが老いることをのろい、できるだけ避けようとするよりも、むしろそれを歓迎し、楽しむくらいの方が、前向きな生き方だと思うからです。そして私が好きな作家には老いてからなお旺盛な創作活動をした人が少なくないので、自分が年を取れば彼らの作品をもっと深く味わえるんじゃないか、なんてことも楽しみにしています。
「人はこのように老いて死ぬ」というレポートを書きたいと思いました。名作にはならないかもしれませんが、意味のある文献にはなるでしょう。最終章を書くのは、他人に依頼することになるのか、あるいは自分の予告編として書くのか、どちらも面白そうです。
これも楽しみです。自分史も結構ですが、誰しもが直面するこうした普遍的なテーマについて、多くの人が証言したり書き残しておくことは、あとの世代の者への素敵なプレゼントになるはずです。