小飼弾著の「働かざるもの、飢えるべからず。」を読みました。
細部には同意するところ、教えられるところも少なくなかったのですが、「社会相続(つまり相続税100%)+ベーシック・インカム」で、食うためにあくせくしなくて済む社会にしよう、という提案は、とうてい受け入れられません。率直に言えば「話にならん」と思います。
同書に限らず、ベーシック・インカム論の弱点は、導入後の社会変化に対して、あまりに楽観的、ないしは思慮不足であることです。働かなくても一定の収入が得られるのであれば、社会の労働供給は間違いなく減るでしょう。それは人件費の上昇、ひいては物価の上昇を招き、結果としてそれまでのベーシック・インカム収入の価値を低下させます。それがベーシック・インカムの引き上げにつながり・・・以下、同様です。
私から見て、ベーシック・インカムなぞよりずっと意味のある改革は、次のようなものです。
- 教育にバウチャー制度を導入する
- ベーシック・インカムではなく、ベーシック・キャピタル
- ベーシック・インカムではなく、負の所得税
- 企業を「多産多死」にする
- 雇用を多様化・流動化させる
- 民間に仕事をゆだね、小さな政府、税金の安い国にする
Twitterなどで見ていると、ベーシック・インカム導入に賛成する人は、結構いるようです。そんな人には、「もっとましな改革案があるよ」と言いたいですね。
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