今の日本で最も熱いテーマ・論題は、原発だと思います。
原発を動かすのか、停めるのか。
といっても、定期点検のためにどんどん停まっており、目下国内で稼働中の原発は54基中、わずか3基です。菅前首相が浜岡原発の停止を強引に決めた時に予想できたことですが、我が国の原子力発電はサドン・デスの道を突き進みつつあります。原発推進か脱原発かという論争など関係なく、このまま行けばこの4月には全ての原発が停まるのです。反原発の人たちにとっては、待ちに待った時の到来、といったところでしょうね。
とはいえ、こういうなし崩しみたいなのは良くありません。国会でも民間でもきちんと議論をして、我が国の今後のエネルギー政策の中で原発をどう位置づけるのか、ある程度の合意を形成すべきではないでしょうか。国民全員が一致するのは無理としても、せめて6~8割の人が「それで良い」と思える程度には。
私自身は、世間全体から見たらかなり推進派の方かと思います。そんな私ですが、今後の原発論議のポイントは、以下の3点だと考えます。
- 原発の再稼働を認める条件は、何か
- 原発が停止することによる供給電力低下を、何で補うか
- 原発の新設・増設を認めるか
原発にも確かにリスクや欠点はあるでしょう。ただそれは他の発電方法やエネルギー源にも言えること。原発についてだけ完全無欠を求めるというのは、やはりバランスを欠きます。昨年の夏に続きこの冬も、大規模停電を招くことなく、何とか乗り切れそうです。でももし今年の夏が去年よりずっと猛暑になったとしたら・・・。あとで後悔しないためにも、慎重でバランスの取れた思考と議論を、みなさんにお願いしたいものです。もとより私も、そう心がけるつもりです。
夏では遅いです。全ての原発が停まってしまう前後には、「日本はこれから原発をどうするか」についてできるだけ幅広い合意を形成しましょうよ。ちなみに私の立場は、特段の問題や不安がなければ既存の原発は再稼働し、無理のない年数で廃炉にする一方、既存の敷地周辺に最小限の新型炉を増設、電力の最低1~2割は原子力で賄うべし、というものです。反原発の人にはとんでもないと言われるかもしれませんが、過激な意見と言うほどではないですよねぇ。