遺贈を増やすには

火曜日のNHK「クローズアップ現代+」で遺贈寄付のことが取り上げられました。

広がる“遺贈” 人生最後の社会貢献 – NHK クローズアップ現代+

「遺贈寄付が増えている」ということですが、こうしてNHKがそれを広報してくれればさらに増えるかもしれません。

とは言え、遺贈によって寄付される額は年間300億円ほどだそうです。人の死亡により相続される資産の額は年間数十兆円(50兆とも70兆とも)と言われていますから、それに対する割合で言うとまだまだ微々たるものです。

また遺言の中に寄付という趣旨での遺贈の項目がある人(遺贈寄付する人)も、まだ死亡者全体の1割もいないようです。そもそも遺言を遺す人そのものが少数派ですし。

私の理想としては、ほぼ全ての人が何らかの遺贈を遺言して亡くなり、平均して遺産のうち1割が寄付されるようになるようであってほしいものです。もし実現すれば、年間数兆円が財団やNPOに寄付されることになります。

現状からは遠い目標のように感じられますが、亡くなる時になにがしかを寄付して死ぬのが当たり前、みたいな風潮になれば案外実現への道のりは遠くないでしょう。私のように子を持たない独身者であれば、甥や姪におこづかい程度の遺産を贈与するにしても、大半は寄付するしかありませんから。

さて日本で遺贈寄付を飛躍的に増やすためには、何が必要でしょうか。

まずは、遺言を書くという行為がもっと一般的にならなければいけません。遺贈の件数は遺言の件数を上回ることは考えられませんから。遺族が相続した財産を故人の遺志や生き様に従ってどこかへ寄付する、というのもあり得ますが多数派とはなり得ないように思えます。

遺贈と遺言というと、必ず遺留分の話題が出てきます。相続人の遺留分を侵害するとトラブルになりやすいので配慮して遺言を書きなさいよ、というわけです。遺留分なるものが現代において現状のレベルでなお必要かどうかは、議論の余地があるのでは無いでしょうか。いっそのこと、廃止するかさもなければ大幅(たとえば今の5分1とか10分の1)に縮小するのが良いのではないでしょうか。

次に人が遺言を書こうと思った時、「寄付についても考えてみませんか?」と提案してくれる仕組みがあると良いですね。公証役場や弁護士などの専門家のところに手引きのようなものを置いておいて、遺言しようとする人に渡すようにするとか。一般向けの遺言ガイド書に寄付の項目を入れるようにするとか。

なぜそこまでする必要があるかと言えば、寄付が社会的に有意義だと言うだけでなく、寄付する当の本人にとってもためになる話だからです。生きてきた中で自分が築いてきた財産を世のため人のために捧げるのだ、という意識を持ちながら死ぬことは、死を穏やかに迎える上で大きく役立つはずです。

もう一つ理想を言えば、何のゆかりもない団体や分野にいきなりポンと寄付するのではなく、生前から関心を持ち、できれば自分も活動に参加していたようなところに寄付するのであればもっと素晴らしいですね。

中高年以降の人であれば、「自分が死んだ時に寄付したくなる団体はどこか」という視点を持ちながらボランティアする先を探したり、生前から応援団になるのが良いのではないでしょうか。

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