「認知症になっても大丈夫!」なのか

投稿者: | 2017-04-25

私にとって新刊をチェックするキーワードの一つに「認知症」があります(他に「終活」「死」「エンディングノート」「がん」など)。

この1年ほど、とりわけここ3ヶ月くらい、認知症の当事者が著者となった本の出版が相次いでいます。そこにはいろいろなことが書かれているのでしょうが、重要な訴えの一つが「認知症になっても、”人生終わり”ではない」ということのようです。

たとえば下記のような本。

認知症になったことのない人、なった家族のいない人にとっては、認知症になったらその後の人生は生きる甲斐がないと思われているフシがあります。自分でできることがどんどん減っていき、周囲に厄介をかけるだけの存在になっていくという・・・。

そうした通年を打破する意味では、こうした当事者からの発信には大きな意義があると言えます。投薬治療や生活習慣の改善によって、完治はできないにしても症状の進行を遅らせたり緩和したりすることができます。認知症と診断されたからといって、絶望する必要はありませんからね。

また認知症を過度に恐れていると、もしそうなったときに受診が遅れ、いざ病院・診療所に行った時には手遅れになっている可能性があります。よく言われるように「正しく恐れる」ことが大切です。

こうした点はがんと似ているところがあります。ただがんと違うのは、「なるのも悪くない」とは言い難いということです。食事や運動、脳トレなどによって認知症になるリスクを低減することはできます。ただゼロにはできませんし、やはり加齢も大きなリスク要因です。防ぐ努力はするけれども、なったらなったでそのことに向き合うより仕方がない、というくらいの感じでしょうか。

その点がんの場合は、病状が徐々に進行し、その間頭脳も比較的明晰に保たれるため、死の準備をするゆとりを持つことが可能です。多くのがん患者に接している医師・看護師の多くが「どうせ死ぬならがんで死ぬのは悪くない」と言います。でもさすがに「認知症の進行する中で死ぬのも悪くない」という医療者・介護職者はほとんどいないのではないでしょうか。

また私としては、当事者でなく家族として認知症患者を介護した人が、その家族の死後に認知症に対してどう思っているかも気になるところです。「認知症になるのも悪くない」と思っている人は、どれだけいるでしょうか。

ともあれ、そうしたことをより深く考える意味でも、当事者が書いた本のうちいくつかをこれから手に取ってみるつもりでいます。

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